人はどこから来てどこに帰るのか―人間の転生を主題に置いた作品を発表していた6年程前から、ずいぶん画肌も変った。 アクリル一辺倒から仕上げに油絵具を使うと、これ程色調が深くなるのかと感心したものだが、高橋重幸の求める世界は、その色調の深さなくしては描けない世界でもある。 常に人間の内面描写に視点を向けてきた氏だが、何の希望も持てない人間の極限状態、救いようのない魂の漂う群像を描く試行が、空シリーズから一歩前に進んできたようである。 大作で自身のテーマを追っているが、一方小品では対象人物の誇張した情感表現を目指している。一見正反対に思えるも、同じライン上にあることが分る。 上掲は、先日の神戸での個展の出品作。黒い背景に明るい空のイメージ、一輪の花を献花する僧侶の厳粛な表情が印象的である。 この6月から3ヶ月間スペイン滞在と聞くが、現場取材の成果を大いに期待したいところである。(松)
人はどこから来てどこに帰るのか―人間の転生を主題に置いた作品を発表していた6年程前から、ずいぶん画肌も変った。
アクリル一辺倒から仕上げに油絵具を使うと、これ程色調が深くなるのかと感心したものだが、高橋重幸の求める世界は、その色調の深さなくしては描けない世界でもある。
常に人間の内面描写に視点を向けてきた氏だが、何の希望も持てない人間の極限状態、救いようのない魂の漂う群像を描く試行が、空シリーズから一歩前に進んできたようである。
大作で自身のテーマを追っているが、一方小品では対象人物の誇張した情感表現を目指している。一見正反対に思えるも、同じライン上にあることが分る。
上掲は、先日の神戸での個展の出品作。黒い背景に明るい空のイメージ、一輪の花を献花する僧侶の厳粛な表情が印象的である。
この6月から3ヶ月間スペイン滞在と聞くが、現場取材の成果を大いに期待したいところである。(松)