2014年に続く大個展。齋藤香坡渾身の書画展が、10月26日から31日まで、大船の鎌倉芸術館ギャラリー全室で開催される。約130点の展覧予定。
前回展では何と言っても横24メートルにも及ぶ「山水画・般若心経」に度肝を抜かれた。連綿と続く山水の画は、何も見ずに頭の中で描いていく。しかも紙全体を俯瞰しながらではなく、描いては巻き、また描いては巻きを繰り返した結果、一紙につながるのだと言う。作家の執念を見たような恐るべき世界があった。それもそのはず、前回展は喜寿の節目展でもあったが殊更にそれを謳わなかった。なぜなら「77歳の抵抗」であったから。それを象徴するかのような圧巻の超大作であった。
さて今回展ではどういう世界が見られるのだろうか。全容はまだ明らかではないが、ここに3点を挙げた。「書画一体」の世界の一端。元来小形の「錦松」だが、そこに描かれているのは大自然そのものではないか。蒼松密掩、翠柳深蔵である。黒々とした太い線の重畳に強い意志の存在「黙殺」。軽快な筆致の中に多種の線条を有する「帝城春」。香坡の書画の根幹は線質そのものにあるようだ。鋒先が生みだす一本の線質へのこだわり。その集積が書になり、画になる。まだまだ続く齋藤香坡の新たな世界の展観が間近に迫っている。
産経国際書会最高顧問/國藝書道院会長(篠原)

帝城春(白居易)
