全日本美術 ALL JAPAN ARTS
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Work No.16

類無き 他

近藤浩乎書展(2024.07)
〔収録作品〕
①桐壺(源氏 巻1)
②葵(源氏 巻9)
③楽しみは(橘曙覧 独楽吟)
④類無き(西行 山家集)
⑤夕桜(高井几董 井華集)
⑥淡路島
⑦山おろし
⑧一本の道(斎藤茂吉)
⑨きりぎりす(百人一首)
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仮名に魅せられて
● 3月7日~17日
● セイコーハウス銀座ホール

この10年、日展の大字かな作品の中でも特に注目してきた作家の一人が近藤浩乎である。近藤さんが常々言う「空間が動く」作品について、筆者も時どきの壁面から考えてきた。例えば2015年の改組新第2回日展出品作「桜想い」については「渇筆線の響きが高いところは作者の呼吸そのものだ。大字仮名は体と手と心の動きに呼応する」。昨年の第10回展「山おろし」では「初見で感じた大きなうねり」と評してきた。その近藤さんが東京では初となる大個展を開催した。大小73点が一堂になったそれは、近藤浩乎の今を存分に伝える新作群であった。セイコーハウス(和光)1Fウィンドーには扇面が3点、6F会場入口正面の桜の大木が描かれたパネルにも扇面5点が花を咲かせている。その横には円相の「夕桜」が。そして今展テーマの一つ「源氏物語」各段から抄出した和歌による20作品が整然と並ぶ。しかも軸、額ともに裂は結城紬を使用した徹底ぶりだ。そこから「桐壺」と「葵」を挙げた。機敏な線条による行の動きは微妙な傾きの差異を生み、それが均衡を破り、時に広い空間を創出する。紺地の紬、料紙、そして書が一体となった伝統の本格美を見た。「百人一首」からの選歌も多い。四曲一双屏風に短冊や小色紙、扇面などを貼り混ぜた大作からカルタまで幅広く展開する。掲載の「淡路島」もその一環だが、この作は突然訪れたシンガポールの人が買い上げたという。随分気に入ったらしい。筆勢の強さと紙面中央に揺れる空間の融合が人心を打ったのだろう。外国人が現代作家の書そのものに心動かされた真実。そこにも書の本質がある。「山おろし」は日展作に続く連作。三六尺の紙面空間自体が揺れ動くさまは前作を凌ぐ。静寂の間の「きりぎりす」も。
日展会員・読売書法会常任理事・日本書芸院董事・玄之会理事長 来春の「現代書道二十人展」に初選出 (篠原)

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桐壺(源氏 巻1) 〈250×360〉 — 近藤浩乎
桐壺(源氏 巻1) 〈250×360〉
葵(源氏 巻9) 〈250×360〉 — 近藤浩乎
葵(源氏 巻9) 〈250×360〉
楽しみは(橘曙覧 独楽吟)〈370×500〉 — 近藤浩乎
楽しみは(橘曙覧 独楽吟)〈370×500〉
類無き(西行 山家集) — 近藤浩乎
類無き(西行 山家集)
夕桜(高井几董 井華集)〈580 円相〉 — 近藤浩乎
夕桜(高井几董 井華集)〈580 円相〉
淡路島 〈970×1150〉 — 近藤浩乎
淡路島 〈970×1150〉
山おろし 〈900×1800〉 — 近藤浩乎
山おろし 〈900×1800〉
一本の道(斎藤茂吉) 〈610×870〉 — 近藤浩乎
一本の道(斎藤茂吉) 〈610×870〉
きりぎりす(百人一首)〈380×500〉 — 近藤浩乎
きりぎりす(百人一首)〈380×500〉