第48回一東書道会全国書道展

井茂 圭洞

「自然(良寛)」

 

 ―凜乎として、雅のかな―と題した一東書道会の第48回展。井茂圭洞会長が、文化勲章を受章されて早2年が経過した。昨年、現代書道二十人展のメンバーからひいて後進に道を譲り、悠々の境地での書作に専念されており、新しいかな美の構図、構成の作品に挑戦を続けている。凄いことだと思う。
 さて、今作は日展出品作の最終試行作品であろう、良寛の歌をベースに継色紙の空間処理を幾度も推敲、考察し最終の手応えを掴んだ感。日展作は朱に極細線が溶け込むような響きを生んでいるが、白に凛と響く細線と空間美の本作も味わい深い。長井素軒理事長は、古今和歌集より冬歌2首を楕円状に配した。潤墨の響きがいい。続く深瀬裕之筆頭副理事長の作品に驚いた。筆者が初めて見る空間構成と思えたからだ。紙の右上から左下の対角線をひいた三角形の上側を渇筆、下側を潤筆で分けた構図の不可思議な新感覚。しばし足が止まった。副理事長・野田杏苑は、小字古筆の2段組で新古今より30首を爽快に綴った。同・豊原睦子は渇筆を効かせた行間対比を試行する。同・中右万佐代の大胆な展開と巧妙な余白対比にも注目。同・井上邦子、田中由美子も挙げた。大森明華相談役の自風のリズム感。専務理事から阿部梨雪と内村明幹の大字展開、田中俊子の線情に含みある流れも注目。龍洞賞の藤城泰代も。 (松)