― 親しめる生活美術書作品 ―
第77回一東書道会展


● 5月31日〜6月1日
● 原田の森ギャラリー本館1F

井茂 圭洞

 

 

 会としての各人の書の向上を図る書道展でなく、生活の中に培ってきた書のありようを考え実験する場とした「親しめる生活美術書作品展」。和気藹々とした雰囲気がいい。また、77回という持続は他に例がないだろう。書道のユネスコ登録がほぼ決定しそうな現在、こうした試みが地方の町おこしの起爆剤となり得ると思われる。
 先師・深山龍洞の渋い表装の屏風作品と共に、ほんの三週間前に開催された「Expo 未来につなぐ日本の書」に出品された井茂圭洞会長の「富士山」が並ぶ。深紅の金粉おとしの絹本に日本の代表的な唱歌「富士山」を書いた作品。「し」から最終部への大きな展開が見事。マットの金地に朱が眩しい。また、小品の五所平之助「生きることは」と良寛「野べに来て」の調和体風と古典調の対比、それと親しめる書の木下利玄「牡丹花」、額のマットに八幡平地熱蒸気染の布が使われている。
 副理事長から深瀬裕之の屏風を挙げた。松根東洋城の率直な「日本」感を具現した。左紙のさくら字の風情。各地の名物、特産の行灯、い草、出石焼き、染物等と書のコラボ。岩手の染物を。 (松)

 

牡丹花は…(木下利玄)
八幡平地熱蒸気染

 


富士山(EXPO 未来へつなぐ日本の書 出品作)

岩手の染物を使って