第47回一東書道会全国書道展

井茂 圭洞

 

「朝露(良寛)」

 

 深山龍洞創設・一東書道会の井茂圭洞会長が昨年、文化勲章を受章された。2013年の高木聖鶴氏に続き書家では8人目となる。今年3月神戸ポートピアホテルで開催された祝賀会には全国から約1100人がかけつけ、受章の快挙と「書」のユネスコ登録への尽力が賞賛された。そんな熱量残る中での第47回全国書道展。
 井茂会長は今回の日展作品制作のプロセスを披露。選文の決定からその構成・布置を十二分に考察した所謂「エスキース」を今展作品(同歌・日展作と少し異なる布置)と共に並べた。こうした書作の意図を汲んで欲しいとの門下への思いが滲む。
 長井素軒理事長は古今和歌集、素性法師の歌を健全な筆致、ゆったりとした構成で表現した。6人の副理事長から、少し体調を崩していた深瀬裕之は、その為かやや筆勢が弱いも渋さあるセンス。金井千桂は横長の粋な文様(上空からの桜林を連想させる)の料紙に爽やかな風のように新古今の歌を浮かべた。塚田俊可は、書出しから7行の上部余白が活きて終部の空間と響きあう。豊原睦子は百人一首、大納言経信の歌を。「し」が全体を引き締める。空間性でた中右万佐代の牧水の歌。澄んだ水色にリズム良く流れる万葉長歌を綴った野田杏苑。遠周宏員の大胆、今年日展特選の井上邦子の繊細、大久保倫子の安定感。受賞した中原信竹の展開機微も。 (松)

 


 

 

エスキース