全日本美術 ALL JAPAN ARTS
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Work No.73

有徳 他

高木聖雨書展(2024.07)
〔収録作品〕
①有徳(老子)
②作品「直和」と飾り違い棚
③李端詩(岳州逢司空曙)
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優游閑適 ―多様な部屋掛けの書―
● 5月9日~19日 ● セイコーハウス銀座ホール

 日本藝術院会員、謙慎書道会理事長・高木聖雨氏の書作展が銀座で開催され、大いに盛会となった。今回は「優游閑適―多様な部屋掛けの書―」と銘打っての開催で、「書」のユネスコ無形文化遺産登録の中心的メンバーとして尽力している活動の一環でもあるといえる。
 ここ和光での2015年の個展開催は聖雨氏の初個展であり、青山杉雨門の暗黙の規制(個展控える)を良い意味で取り払い、自らの研鑽の成果を世に問う一歩を記した。聖雨氏の思いに続く青山門下の個展開催の門扉は開かれた感があり、書壇への大きな刺激となっている。初個展から9年が過ぎた。当初、日展改組問題で書壇が大変な時期と重なったが、2017年に文部科学大臣賞受賞、謙慎書道会理事長就任、2019年に恩賜賞・日本藝術院賞受賞、次年に日展理事に。そして2021年に日本藝術院会員に就任し、翌年に「書道」が国の無形文化財として登録され、聖雨氏が副会長を務める日本書道文化協会(井茂圭洞会長)が保持団体の認定を受けた。書道をユネスコに登録する活動も昨年12月8日、国の文化審議会部会で2026年の無形文化遺産登録の審議にのせられる。八面六臂の活動、苦労が伝わっており、その成就を祈念したい。
 さて、今展にはタイトルにある通り中~小作品80点が並んだ。その中、筆者の注目作2点と、部屋掛けの例として飾り違い棚(山田正平の刻)の上に掛けられた「直和」を挙げた。老子の言葉「有徳」は、悠然とした流れに厳とした骨格を有し余白空間の響きが心地良い。もう1点の李端詩は中唐初期の詩人・大暦十才子のひとり。慮綸、銭起、司空曙などがいるが、その司空曙に岳州(湖南省岳暘市)に会した時の五言律詩。幼少期からの幼馴染みとの偶然の再会の喜び、祝杯をあげた時の詩。聖雨氏の書風からすれば、稀な狂草調である。歴史的には懐素の時代に重なる。他、墨味を工夫した「虚心處冲點」。一字書「戰」に呉昌碩の「且飲墨瀋一斗」白文方印、「令器(呉志)」に同「煙海」朱文方印の遊印を見た。出身の地・備前焼きの陶板書作品も5点展示された。更なる活躍を期待したい。(松)

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有徳(老子) — 高木聖雨
有徳(老子)
作品「直和」と飾り違い棚 — 高木聖雨
作品「直和」と飾り違い棚の前で
李端詩(岳州逢司空曙) — 高木聖雨
李端詩(岳州逢司空曙)