先月号のトピックスで記載させて頂いたが、「神戸笹波会」改め「一楽書芸院」として通号第48回展が創立の原点に還るべく神戸で開催された。田頭一舟会長は、遠望する山の景が描かれた大紙に浮かんで流れるような筆致で吉野の山の歌を綴った。以前の直線的な行から含みある柔らかさが加味された。寺岡棠舟副会長は、赤、白の二段組で横展開の構成空間の響きの心地良さをひき出した。田頭央_理事長は選文によって料紙を自作する。その一貫した姿勢が独自の風趣を醸す。冬枯れの霧の景に三次元に浮かぶ文字の空間美。二度の日展特選を経て肩の力が抜けてしなやかさある作品に変貌しつつある中室舟水理事長代行、志貴皇子の歌を捌いて優雅さもある。草野曽舟副理事長の変体仮名の展開が面白い。今回は芭蕉の門人、旦藁の発句で始まった連歌を綴る。この後、「おもしろふかすむかたがたの鐘」と野水の下の句が続く。中島緋舟は細みの切れある線で比庵の歌を展開。寺田扇舟は上下とも「ゆふされば」で始まる歌を。上は崗本天皇御製、下は弓削皇子の歌。料紙の対比もいい。松倉映舟の清楚感に潜む大胆な布置。東晃舟の粋な2紙の縦展開のセンスも。他、総務理事で注目した秋山和也、小宮山青舟、清水澄江、中原朱穂を挙げた。(松)
先月号のトピックスで記載させて頂いたが、「神戸笹波会」改め「一楽書芸院」として通号第48回展が創立の原点に還るべく神戸で開催された。
田頭一舟会長は、遠望する山の景が描かれた大紙に浮かんで流れるような筆致で吉野の山の歌を綴った。以前の直線的な行から含みある柔らかさが加味された。寺岡棠舟副会長は、赤、白の二段組で横展開の構成空間の響きの心地良さをひき出した。田頭央_理事長は選文によって料紙を自作する。その一貫した姿勢が独自の風趣を醸す。冬枯れの霧の景に三次元に浮かぶ文字の空間美。二度の日展特選を経て肩の力が抜けてしなやかさある作品に変貌しつつある中室舟水理事長代行、志貴皇子の歌を捌いて優雅さもある。草野曽舟副理事長の変体仮名の展開が面白い。今回は芭蕉の門人、旦藁の発句で始まった連歌を綴る。この後、「おもしろふかすむかたがたの鐘」と野水の下の句が続く。中島緋舟は細みの切れある線で比庵の歌を展開。寺田扇舟は上下とも「ゆふされば」で始まる歌を。上は崗本天皇御製、下は弓削皇子の歌。料紙の対比もいい。松倉映舟の清楚感に潜む大胆な布置。東晃舟の粋な2紙の縦展開のセンスも。他、総務理事で注目した秋山和也、小宮山青舟、清水澄江、中原朱穂を挙げた。(松)