Work No.25
石走る… 他
田中徹夫書作展(2024.07)
〔収録作品〕
①「峰」峰たかき…(古今和歌集)
②「風の音」秋来ぬと…(古今和歌集)
③「我影」我影を…(与謝蕪村)
④「石走る」石走る…(万葉集)
⑤「秋夜」いかばかり…(西行)
⑥「柿の葉」柿の葉は…(島木赤彦)
⑦「黄昏」山は暮れて…(与謝蕪村)
⑧「花橘」鶉鳴き…(万葉集)
⑨「赤とんぼ」赤とんぼ(三木露風)
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「峰」峰たかき…(古今和歌集)135×35
「風の音」秋来ぬと…(古今和歌集)32×25
「我影」我影を…(与謝蕪村) 70×57.5
「石走る」石走る…(万葉集)180×53×4
「秋夜」いかばかり…(西行) 16×24.
「柿の葉」柿の葉は…(島木赤彦)49.5×6
「黄昏」山は暮れて…(与謝蕪村)33.5×48
「花橘」鶉鳴き…(万葉集) 60×176
「赤とんぼ」赤とんぼ(三木露風) 30×133
● 5月16日~19日
● ホテルオークラ神戸
日展会員、正筆会副理事長・田中徹夫氏の初個展が開催され約40点の出品で盛会となった。令和3年の兵庫県文化賞の受賞記念としての県主催の田中氏の書展が、県政資料館展示場で令和4年5月24日~8月19日まで開催されているが、本格的な書作展は初めてとのこと。持ち前の強い書線をいかした4曲屏風「石走る」の大字作品を中心に、厳しい転折で緊張感ある中字の「我影」と同じく中字で行間呼応を意識した「柿の葉」。縦展開で潤渇潤の散らしが心地良いリズム生む「峰」、真仮名とかなで対比させた静かな空間の万葉集「花橘」、各一首を様々な布置で書した小字、細字の小品から「秋夜」、「風の音」、「黄昏」を挙げた。また、調和体の横作品「赤とんぼ」は田中氏の内面の気をのせた書である。文字の形は師の流れを受けつつ、線質は自身の呼吸から生まれている。
田中徹夫氏は昭和27年、兵庫県龍野市に生まれ、3歳から高校3年まで父に書と柔道を教わった。書は元来の左利きを直すためだった。専修大学経済学部に進んだが、書が忘れられず町の書道教室に通い漢字を学んだという。大学卒業後企業に入社するも、昭和52年、25歳の秋に書で生きる決心をして帰郷。父の熱心な薦めで黒田賢一氏との出合いを果たし師事するという一大転機を迎えた。その2年後、大師匠・卯木師が急逝、正筆会の激動の時代を黒田師の横で歩み続けた。日展初入選は昭和62年と遅々とした歩みであったが、二度の日展特選を経て平成26年、30年と日展審査員、令和元年日展会員賞を受賞。今後が楽しみだ。(松)