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Work No.3

わが村の山した湖の…(赤彦)

奥 宣憲 書作展 日本のこころと美 2004(2004.07)
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■ 5月11日〜16日 / ■銀座・ギャラリーいず

「わが村の山した湖(うみ)の氷とけぬ やなぎ萌えぬと聞くがこほしさ」と4行に書き下した小品に目が止まった。豪華な料紙に重厚な表具をマッチさせた西行の「澤邊より」、鴨長明の「ゆく河の」にはじめ驚かされたが、会場を二回りほどして改めていいなぁと思ったのが上掲の作品である。

素としながら、視線の流れがあり、品格を感じる。文字も適度な変体文字を加味するにとどめ、行間をすっきりとみせている。ここに奥宣憲の本質的な良さが凝縮されているように思うが、様々な顔を見せつつある今展の約20点の作品から、変わりつつある書作の方向性が見えてきそうだ。これは尊敬する日比野五鳳翁の呪縛から自風へと指向する過渡的な段階にあるのかもしれない。

美意識として心の内に入ったものは、形や構成をそのまま写さなくとも何処かに似た味わいが残るものである。詩文を大切にした書作姿勢は作品全体に感じるも、大作は構えた堅さが少し残っている。武者小路実篤の「もう一歩」の調和体作品も印象に残った。

銀座で2回目の個展、更なる進化が窺えた。 (松)

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