〔収録作品〕①おのれを知るを 物知れる人といふべし(吉田兼好)②此方へと法の御山の道をしへ(於高野山 虚子句)● 5月24日〜29日 / ● 銀座ギャラリーいず2001年から毎年開催する奥宣憲書作展。今回16回展を迎えた。「日本のこころと美」と題し、折々の日本文学を素材にしてきた奥。今年は夏目漱石没後100年にあたることから、「坊っちゃん」の一節や漢詩七律から「不老」、俳句「風に乗って」など漱石文学に心を投影した作品が揃った。また会場側面一杯を使い、昨年の15回記念展に出品した襖書八面大作「いろは歌」も展示された。かな作家ならではの線の流動感は圧倒的スケールを見せる。一方、対称的な小品の美にもしっかりと目を向けさせる。その中から2点を掲載した。「道をしへ」は高浜虚子が高野山で吟じた句。山道を飛び交う「はんみょう」が描きだされた言葉の世界。宣憲の筆は句意に乗じて間を作り、敢えて終節に墨を入れる。小さな命の道案内に宣憲の心も揺れたのであろう。「おのれを知る」に見る強い意志の直線。徒然草の一節に共感した宣憲自身の表れである。(篠原 )
〔収録作品〕
①おのれを知るを 物知れる人といふべし(吉田兼好)
②此方へと法の御山の道をしへ(於高野山 虚子句)
● 5月24日〜29日 / ● 銀座ギャラリーいず
2001年から毎年開催する奥宣憲書作展。今回16回展を迎えた。「日本のこころと美」と題し、折々の日本文学を素材にしてきた奥。今年は夏目漱石没後100年にあたることから、「坊っちゃん」の一節や漢詩七律から「不老」、俳句「風に乗って」など漱石文学に心を投影した作品が揃った。また会場側面一杯を使い、昨年の15回記念展に出品した襖書八面大作「いろは歌」も展示された。かな作家ならではの線の流動感は圧倒的スケールを見せる。一方、対称的な小品の美にもしっかりと目を向けさせる。その中から2点を掲載した。「道をしへ」は高浜虚子が高野山で吟じた句。山道を飛び交う「はんみょう」が描きだされた言葉の世界。宣憲の筆は句意に乗じて間を作り、敢えて終節に墨を入れる。小さな命の道案内に宣憲の心も揺れたのであろう。「おのれを知る」に見る強い意志の直線。徒然草の一節に共感した宣憲自身の表れである。(篠原 )