正筆会総務理事以上の244名による展観。メイン壁面には黒田賢一会長を中央に山根亙清理事長、田中徹夫副理事長兼事務局長、そして野田正行、寺坂昌三、川上鳴石の各副理事長陣の大作が並ぶ。黒田会長の今作は歌意に合わせた黄の紙色がひと際目に入る。「まんまんと満つる光に生れゐしおたまじゃくしの目は見ゆるらむ」まるで新生おたまじゃくしの目を通した光の世界のように映る。右側を大きくあけてそれを強調し、潤渇の強い筆勢で五行を塊に見せた紙面構成も出色だ。山根理事長は自詠歌を上の句と下の句に分けて大きく展開。特に「鬢付け油」の動きは印象深い。田中徹夫は青の映える世界。それも黒の墨線が冴えているからこそだ。「海」と「山桜」を漢字にしたところもうなずける。野田正行は屏風仕立ての作。良寛歌五首が細線の潤渇で書かれる。特に渇筆の流れに技量の高さを見せるがそれが自然に映るところに作者の意図があるのだろう。寺坂昌三も西行四首に多彩な線条を見せる。中央の破筆部に見せ場を作ったか。川上鳴石は芭蕉句二句の屏風仕立て。とにかく線が強い。渇部における筆意がそれを物語る。他、専務理事、常務理事から7点をピックアップした。小野玲華、新井崇子、山肩真智子、山崎慎也は小品だが、それぞれの装いの中で線がしっかりと立っている。(篠原)
正筆会総務理事以上の244名による展観。メイン壁面には黒田賢一会長を中央に山根亙清理事長、田中徹夫副理事長兼事務局長、そして野田正行、寺坂昌三、川上鳴石の各副理事長陣の大作が並ぶ。黒田会長の今作は歌意に合わせた黄の紙色がひと際目に入る。「まんまんと満つる光に生れゐしおたまじゃくしの目は見ゆるらむ」まるで新生おたまじゃくしの目を通した光の世界のように映る。右側を大きくあけてそれを強調し、潤渇の強い筆勢で五行を塊に見せた紙面構成も出色だ。山根理事長は自詠歌を上の句と下の句に分けて大きく展開。特に「鬢付け油」の動きは印象深い。田中徹夫は青の映える世界。それも黒の墨線が冴えているからこそだ。「海」と「山桜」を漢字にしたところもうなずける。野田正行は屏風仕立ての作。良寛歌五首が細線の潤渇で書かれる。特に渇筆の流れに技量の高さを見せるがそれが自然に映るところに作者の意図があるのだろう。寺坂昌三も西行四首に多彩な線条を見せる。中央の破筆部に見せ場を作ったか。川上鳴石は芭蕉句二句の屏風仕立て。とにかく線が強い。渇部における筆意がそれを物語る。他、専務理事、常務理事から7点をピックアップした。小野玲華、新井崇子、山肩真智子、山崎慎也は小品だが、それぞれの装いの中で線がしっかりと立っている。(篠原)