―永井龍男「散歩者」より―● 10月23日~29日 ● 船橋/滝不動・スタジオM 17年前から文学作品に材を求め、徹底した読書によって抽出した一字を書に表現してきた長岡さん。近年では小林秀雄、芥川龍之介、埴谷雄高、堀辰雄、立原道造、谷崎潤一郎、中原中也などを取り上げてきた。今年は短編の名手といわれた永井龍男(1904~1990)「散歩者」がテーマ。長岡さんは「かなり衣着せぬ辛口でだんだん面白く読めた」と言う。そこから21点の墨象作品が生まれた。それぞれの作に長岡さんの思いが詰まっているが、第三者が見たときに制作意図がより明確に伝わるだろうと思われる2点を掲載した。その一つが「怠」である。「台」部の渇いた線を「心」の爽やかな線が支える構成。弛みを戒める白の緊張感。他方、「紛」は絡み合う線に濃淡があり、旋回の動きとともに何処かに「まぎれる」心境が表出される。他にも「確」(しっかり)や「鋭」(えい)などにも主張が浮かぶ。何れも世情が反映された風にも見えた。仮名色紙や日本画作も一堂に。(篠原)
―永井龍男「散歩者」より―
● 10月23日~29日 ● 船橋/滝不動・スタジオM
17年前から文学作品に材を求め、徹底した読書によって抽出した一字を書に表現してきた長岡さん。近年では小林秀雄、芥川龍之介、埴谷雄高、堀辰雄、立原道造、谷崎潤一郎、中原中也などを取り上げてきた。今年は短編の名手といわれた永井龍男(1904~1990)「散歩者」がテーマ。長岡さんは「かなり衣着せぬ辛口でだんだん面白く読めた」と言う。そこから21点の墨象作品が生まれた。それぞれの作に長岡さんの思いが詰まっているが、第三者が見たときに制作意図がより明確に伝わるだろうと思われる2点を掲載した。その一つが「怠」である。「台」部の渇いた線を「心」の爽やかな線が支える構成。弛みを戒める白の緊張感。他方、「紛」は絡み合う線に濃淡があり、旋回の動きとともに何処かに「まぎれる」心境が表出される。他にも「確」(しっかり)や「鋭」(えい)などにも主張が浮かぶ。何れも世情が反映された風にも見えた。仮名色紙や日本画作も一堂に。(篠原)