第74回展を迎えた名門日本書道院。嘗ての長尺の漢字行草作品がずらっと並び、横の小スペースに関東風のかなが置かれた展示風景はがらっと変革を遂げて、役員展示では漢字、かな、近代詩文書が調和良く呼応する展示風景が広がる。まさしくこれは、25年前伝統書の会の88歳から61歳への電撃的な会長交代に端を発している。そして今、広がった書域、ジャンルを見守り、見切りうる新たな若き体制への転換時期が近づいている。役員、受賞者から13点を挙げた。中村雲龍会長の漢字作品は巻頭に挙げた。ここでは自作詩の近詩文を。実に書きたい言葉と文字が呼応して自然に流れを創る。終部の展開が素晴らしい。三宅相舟は繊細なかなの世界を本会に供与し、かな部を充実させた功績は大きい。今作も微細な空間の揺れと余白で魅せる。また、高橋静豪の縦に突き入れた独特な筆致は今も健在。そして新たに副会長が交代した。かなで存在感増す成田寿苑。若きエースの稲葉如龍の抜擢である。深紅の料紙に渾身の大字二行が新たな風を起こしそうだ。荻野静雲も少し落ち着いた感で汪洪度詩を捌いた。安定した行草で大臣賞を射止めた山田白苑。平山美影はこのところ詩文書に境地を広げている。同様、白石東苑、細渕柳青も視点構成がいい。行展開に幅が出た神作花紅。二十一世紀賞の2点も充実作。(松)
第74回展を迎えた名門日本書道院。嘗ての長尺の漢字行草作品がずらっと並び、横の小スペースに関東風のかなが置かれた展示風景はがらっと変革を遂げて、役員展示では漢字、かな、近代詩文書が調和良く呼応する展示風景が広がる。まさしくこれは、25年前伝統書の会の88歳から61歳への電撃的な会長交代に端を発している。そして今、広がった書域、ジャンルを見守り、見切りうる新たな若き体制への転換時期が近づいている。
役員、受賞者から13点を挙げた。
中村雲龍会長の漢字作品は巻頭に挙げた。ここでは自作詩の近詩文を。実に書きたい言葉と文字が呼応して自然に流れを創る。終部の展開が素晴らしい。三宅相舟は繊細なかなの世界を本会に供与し、かな部を充実させた功績は大きい。今作も微細な空間の揺れと余白で魅せる。また、高橋静豪の縦に突き入れた独特な筆致は今も健在。そして新たに副会長が交代した。かなで存在感増す成田寿苑。若きエースの稲葉如龍の抜擢である。深紅の料紙に渾身の大字二行が新たな風を起こしそうだ。荻野静雲も少し落ち着いた感で汪洪度詩を捌いた。安定した行草で大臣賞を射止めた山田白苑。平山美影はこのところ詩文書に境地を広げている。同様、白石東苑、細渕柳青も視点構成がいい。行展開に幅が出た神作花紅。二十一世紀賞の2点も充実作。(松)