月刊美術新聞「全日本美術」最終号(2026年7月20日号)より
42回展を迎えた西を代表する篆刻展。東の印譜主体の展示と異なる文字・印・側款で見せるスタイルが踏襲されている。
小紙も作品がどのように展示されているかを重要視して紹介している。常任顧問から代表理事まで13点を挙げた。
常任顧問・井谷五雲は4印の内「供爪牙」は簡素な構成だが、文意にも注目させられる。同・山下方亭は長方印8字構成で単々と響く。側款説がより詳しく欲しい。金剛經の一節を大らかに朱白で刻した顧問・酒居石荘。同・多田龍淵は、自然の境地を詠んだ蘇軾の詩を白朱印で。白印の堂々さがいい。尾崎蒼石会長は李白「静夜詩」の下句を朱白で、心境を込めた。牛を真っ二つに切り分ける半の語源と、半日瀧に対峙した瞑想の悟りを一幅に込めた真鍋井蛙理事長。4名の副理事長から、喜多芳邑の5字朱印は渋沢栄一が詠んだ「内山峡」の一節を自らと重ねる。黒田玉洲の朱白は宋代の禅僧・芙蓉道楷の偈頌より、とらわれない心を刻した。狂歌三大家のひとり、大田南畝に焦点を当てた小朴圃の粋な追求。武帝が奨めた民間歌謡、楽府詩の8字を刻した古溝幽畦。草田翠苑、田中修文、渡邉和琴も。梅舒適賞=中野聡。(松)
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