白日会の彫刻
(第88回白日会展より)
常任委員・日本芸術院会員
市村緑郎
共に具象だが、趣きはずいぶん違って対照的な作風である。片や、角ばった直線構成のマッス(量塊)感があり、かたややわらかな流動性に身体美を強調している。
山本眞輔は日展で「心の旅」シリーズを展開するが、この作品「寿ぎの祈り」も制作姿勢の基調は同じであろう。手を組んで正装の長袖が畳まれて箱形のフォルムとなった。その先からのぞく素足と幼げな表情が何とも愛おしい。マッスをもつコステューム(和服)とのぞくいたいけな身体の対比が印象的だ。
市村緑郎の「残照」は昨年の日展作「残照―祈り―」とほぼ同じポーズだが、着衣に対して裸体である。それだけにデフォルムされたスリムな肉体の動きと流れが際立って美しい。ふりあげた両腕の指先に祈りの思いがつまっている。(中)
