財団設立30周年記念展
日本藝術院会員
山本眞輔 彫刻60年の軌跡
● 5月27日〜7月23日
● 古川美術館(名古屋市千種区)
(公財)古川知足会財団設立30周記念展として日本藝術院会員・山本眞輔「彫刻60年の軌跡」が名古屋市千種区の古川美術館で開催されている。本紙6月号で予告記事として既に紹介しているが、初日の5月27日に会場に伺いその全貌を展観させていただいた。
1階展示室に入ると、正面左側に歴代の受賞作品4点が並ぶ。紹介の1F展示室写真、左から日彫展西望賞「憧れ」1990年、日展会員賞「いい日」1992年、日展内閣総理大臣賞「森からの声」1999年、日本藝術院賞「生生流転」2003年〈第35回日展出品作品〉と揃って正に圧巻である。そして正面右から壁面に沿って「祈りシリーズ」の代表作が並ぶ。最奥面に宮津市・カトリック宮津教会の洗礼者聖ヨハネ天主堂前広場に設置された200×160×115の大作「祈り 細川ガラシャ夫人像」の凛とした表情の石膏着色原型が眼に飛び込んでくる。一方、私は初めて目にした無着色の石膏作品「祈り―生命の賛歌―」1984年の上半身に釘付けとなった。会場で撮った写真を紹介したが、実に透きとおるような純真で敬虔なオーラが感じられた。この原型は同年に約1.6倍の高さ2mの拡大ブロンズとして鋳込まれ、第60回記念白日展会員記念賞を受賞し、豊明市・藤田保険衛生大学病院医療スタッフ館ホールに設置されている。
1F展示室のその奥に一部ガラスケースのある特別展示室がある。30歳でのイタリア初留学時のヌードデッサン、少女像「幼き祈り」、背中をみせたヌード「光の中」等のテラコッタ、大理石、ブロンズの小品も見応えあった。
2F展示場は「心の旅シリーズ」の作品が19点。「心の旅―祈りへの道―」2006年〈第38回日展〉を会場中心に据え、初期の「エトルスク幻想」1990年から2000年代、昨年の日展作品まで。好きな旅を通して自分の心に残った心象風景をどう表現するかがテーマとお聞きした。
会期残すところ約10日、分館(為三郎記念館)では夫人で洋画家の山本澄江の世界も開催中。是非足を運ばれたい。(松)
