「澄川喜一作品集(刊行 講談社)」出版記念
日本芸術院会員

澄 川 喜 一 展

 07年、作品集を出版した記念展としての開催となったが、氏は最近特に話題となっている新東京タワーのデザイン監修者(建築家の安藤忠雄氏とともに)として携わってきており、今展にもその全容を示す精巧な模型が並べられ、新テレビ塔の概要が解説されていた。2011年に墨田区に完成予定の新テレビ塔の高さは610m、これまで世界一高さを誇っていたトロントのNCタワー(553m)、現在建設中のブルジェ・ドバイ(565m)を越え世界一のタワーとなる。我国の古代建築を代表する五重塔の構造を現代の制震システムとして応用し、脚元は三角形で次第に円形に変わるスリムな曲線美で、正に澄川氏の代表的シリーズである「そりのあるかたち」のコンセプトが内包されているといえる。さて、今展より注目作を挙げた。
 日本刀のようなシャープな鋭さと、研ぎ出された木目の美しさに圧倒される。ゆるやかで広い空間が、その作品の周りで密度を増し、緊張する。微妙なバランスを一点で中和している「そりのあるかたち」は金属に変わると、木の持つ温度が排除され透徹な光と闇のシルエットが心の奥に切り込んでくる。     (松)


   東京展 ■ 島屋東京店 6階美術画廊 
       ■2007年10月3日〜9日
   大阪展 ■ 島屋大阪店 6階美術画廊 
       ■2007年10月17日〜23日
   京都展 ■ 島屋京都店 6階美術画廊 
       ■2007年10月31日〜11月6日

     「そりのあるかたち 2」 
          杉、欅H208×W205×D46(cm)