第18回千歳会刻字展より


会長 薄田東仙


● 12月5日〜10日 
● 銀座・鳩居堂画廊3・4F

 

 薄田東仙会長の千歳会が18回目の刻字展を開催した。「書・刻字を世界のアートに」と唱え、果敢な国内外への作品発表、現場指導に携わる薄田イズム満載の展観になった。その中から薄田東仙作「明哲」を掲載した。この作の横には墨書原版も展示され、両者を比較鑑賞できる配慮もなされていた。明哲とは物事の道理に通じているさまをいう。世界で勃発する戦争、自然をないがしろにしてきたつけでもある異常気象など、東仙の心に宿るのっぴきならない事象を憂うるとき、まさにこの言葉に光明を見出したのかもしれない。刻法は細部にわたって原版に忠実。簡潔な着色も目に優しく入る。人間の道理、いのちの道理を深く考えさせられた作。
 薄田東仙といえば、一連の「PEOPLE」シリーズが浮かぶ。「見てすぐわかるものは、より多くの人の共感を得る」この言葉がその仕事を支えたわけだが、それは書の世界全体に課せられた命題でもあろう。東仙はこれからもその山を移すべく歩みを進めるに違いない。
 毎日書道会理事/日本刻字協会会長/全日本書道連盟常務理事(篠原)

 


明 哲  30×30cm