寺田白雲書展

● 9月13日〜15日
● 大阪くらしの今昔館

主催:一心書道会
後援:毎日新聞社・書団響

 

 毎日書道展審査会員、一心書道会理事長の寺田白雲氏の本格個展。5年前の知命の歳に、第7回一心書道会新春書展の併催で初の個展を開催しているが、次は耳順(60歳)での個展を計画していた。それが、急遽5年後に変更したのは書人としての生き様と、人の生き死に思うところがあったからでであろう。白雲氏は2012年の一心展開催後に病巣が見つかり胃を全摘出する大手術を経験している。そして無事生還。命とは、自分が生きるとは何なのか!漠然と考えていた自身の命を、正面から捉える機会を図らずももったことが、「今、成すべきことをやり切る」という強い意識に変わり個展実施の思いに至ったと推測できる。準備も急であったかもしれないが、今年の第12回一心書道会展の開催直前(3/9)に白雲氏の右腕として会を支えてきた松本暘嶽事務局長が急逝されたことも大きな衝撃で、尚更に「生」の思い、意義が心の深い所に沈着したと想像できる。
 いざ開会となり会場を訪れ筆者が最初に目に止まった作品は「茨木のり子の詩」で、次に「マハトマ・ガンジーの言葉」である。作品が息をしているかのようにそこにあった。感動した言葉や作品に出あって、すぐに制作に取りかかっても上っ面のものに終わってしまうことが多い。心の中に静かに落として熟成する必要があるのだ。白雲氏の今回の近代詩文書の撰文と書作にはそうした「だから、これを書きたい」という暗黙のメッセージが感じられた。そこから発して、やり遂げた「本懐」、「感謝」が生れた。焼物、染織など幅広い充実の個展となった。(松)

 

茨木のり子の詩―自分の感受性くらい―

 

マハトマ・ガンジーの言葉

 

周興嗣 千字文

山頭火32 句

 

自作詩  ー塞翁馬 善きも悪し きも謝に尽きるー

 

本 懐 ー法語

 

白居易詩