米壽回顧

大井 淑子 書展

● 3月4日〜9日
● 銀座・鳩居堂画廊3F

 

 「米壽回顧」と題された大井淑子さんの個展。展示作のほとんどは目白会展、東雲会書展に出品された作品で構成されている。大井さんは昭和41年、主婦の友文化センター書道教室の第一期生になり、仲田幹一(光成)と邂逅。翌年には師事して、以来五十年近い書人生を歩んできた。この間、古筆の美しさに惹かれ、臨書研鑽は言うまでもなく仲田仮名の真髄である微細な線条と緊迫感に満ちた空間構成を着実に身に付けてきたと思われる。10年前の主婦の友通信講座終了時まで指導者を務めた大井さんにとっては、その指導者の作品発表の場である東雲会書展への思い入れは随分のものであろう。
 細字仮名中心の出品作の中から、平成14年第20回東雲会書展出品作を取り上げた。若山牧水の山桜花をテーマにした歌三首が桜色の料紙に降り注ぐかのように表現された作品である。繊細な細線が行を埋め、ときに重なり、春を染める自然の情景を謳う佳品だ。飾らず、見せつけようとせずも、静かに変化は富む。
 毎日書道展参与会員/あきつ会副会長   (篠原)

 

 

 

 

うすべにに…(やまざくら花三首)   若山牧水