かな書に惹かれて
上林三玲書作展
● 2020年12月23日〜1月5日
● 高島屋大阪店6F 美術画廊
日展準会員、水穂会副理事長の上林三玲さんの初個展。コロナ禍対策の中ではあったが、品格漂う作品群にしばし足を止めて見入る観者が多く印象に残った。
これまで、水穂他で上林さんの作品に接してきたが、池田桂鳳師の放ち書き、単字構成の路線と異なる古筆からの自風展開があり、お聞きした所、高校1年生の秋に結核性網膜剥離で右眼を失明し、失意と絶望の中、書の師匠であった東野梅軒氏の励ましで奈良学芸大学書道科に入学。心機一転の気力と東野師の指導で在学中に日展初入選を果たしている。しかし、卒業後は20年余に亘り書とは無縁の生活だったと聞く。
昭和55年、愛娘が池田桂鳳氏に書の指導を受け始めたことで水穂門に入り、水穂調を加味しながら古筆細字、小字の線質を磨いていった。平成21年、23年に日展特選を受賞し、現在は会の指導者として在る。
今展には、そうした細線の切れある中に、柔らかな気品を醸す小品を中心に、大字の4曲屏風作品(西行)まで、味わい深い27点が並んだ。 (松)
