第49回竹扇会書展より
― 空間余白の冴え―


副会長

小伏 小扇

 

 第49回竹扇会書展より、副会長・小伏小扇さんの作品「鴻」を紹介させて頂く。竹扇会では小伏竹村会長の方針で、長年甲骨文の展開をテーマに研鑽を重ねてきているが、その中にあって柔軟な解釈の文字の構成で幅広い作品を発表しているのが小伏小扇さんである。
 今回はテーマ「鴻鵠の志」より、「鴻」の一字を大鳥が池から飛び立つ様として対角線構成した作品で、金文よりイメージ展開して甲骨調に置き直した作品とお聞きした。水面から水を蹴って飛翔する勢い、風立ち、渦巻く直下の湖が想像できる。左側の飛墨は正に大鳥から滴る水滴、対して右上は晴れ渡る空が広がり、その余白空間に自作の陶印の「翼」が小気味よく映える。落款の自作白文印「小扇」もセンス良い響きがあった。昨年の竹扇会展では柔かな心象的形象化の「光」を、今年の書道芸術院では大作で豪快な「如雷」を出品、自在な展開をみせた。現在、毎日書道会審査会員、書道芸術院理事。(松)

 

     

鴻    120×90