第五回 米本一幸 筆の調べ
●1月21日[火]〜26日[日] ● 銀座・鳩居堂画廊4F
あきつ会会長、米本一幸さんの5回目の個展が開催された。サブ・タイトルは「―淑氣満つ―自詠・さちこの句にのせて」。2004年の第4回展で「筆の調べ」とタイトルし、「茂吉・秋櫻子の詩情(こころ)」を筆線に託した世界を披露した。言うならば今展はその第二弾である。今回は自らが能くする自詠句を素材にした作品21点が中心になる。更に私淑した水原秋櫻子句や牧水のうたも加わる全32点。 米本さんの仮名表現の一番の特徴は「飾らない力」にあると思う。仲田光成師の空間を斬るような鮮やかな線条の根底に潜むものを米本さんは抽出したのではないだろうか。つまり線の骨格において、線端まで行き届く筆意においてである。一見、光成師とは対極の表現と思われる向きもあるが必ずしもそうではない。そのことは今展の自詠句作と対峙したときに明白となった。ほとんど変体仮名を使わずにこれだけの空間の流動を表出しているさまが、まさにその証である。掲載作もそれを物語る。(篠原)
自詠・さちこ句 「土器」 41×45