第40回国書展より
会長
津金 孝邦
「大慶(大いに慶ぶ)」
第40回記念国書展より、津金孝 会長「大慶」を紹介させていただいた。
「大慶」とは大いに喜ぶという意で、書を愛する人へ送る言葉だとお聞きしたが、40回記念展を無事開催できた慶びと、この書展に足を運んでくれる人たちへの感謝をこめた作品であろう。会場中央にドンと鎮座して展覧者を迎えていた。
孝 氏は第41回日展で超大字の「歌曲流風」を出品している。隷書と篆書を組み合わせ、自由な発想で筆を運んだ文人書の趣がある作品であった。古典重視の日展にあっても、自由な構想で今を開拓する芸術志向こそこれからの書の在り方だとの意志表示であろう。物議をかもす方が安易な繰り返しよりはるかに意義がある。この「大慶」は特大筆の書き初めとお聞きした。だから恐らく一枚物であろう。禅林墨跡調を彷彿とさせる鷹揚でゆったりとした運筆でしっかり墨が入り、重厚な墨彩をみせて存在感がある。氏の書観は「字は上手くなければならない。でも、書は上手くなくてもいい、拙でいいんだ」と端的に述べている。「書曰心画也」の落款が語る。
(松)
