第48回国書展より
自詠歌調和体の風趣
会長
津金 孝邦
春の花 桜と菫に
海棠と 大和心の
魁として
48回国書展に発表された津金孝邦会長自詠調和体作。高木樹桜と野草の菫、その天地の間に海棠の花。紅から紫に至る色彩感情も容易に想像がつく。春の情景に「大和心の魁」を謳った孝邦詩書一体の世界。日本漢詩、国文に最も重きを置き、「大和心」を書に表現してきた国書展にとってこの作は一つのテーゼとも捉えられるように思う。つまり自作の詩歌を書に高める仕事のありようだ。調和体作品の究極とも言えよう。可読性と書格の一致、更には日本語の深奥さえもがかかわってくる。自詠の責任も伴うだろう。そういう観点でこの作を見るとそこにある孝邦会長の強い思いを窺う。奇を衒う必要など全くないことを。(篠原)
