第45回国書展より

会長

津金 孝邦

「詩書一体の卒意」

 

 「富士山」が「不二山」である所以は誰しもが思うところ。まさに「乾坤第一山」である。その山と人間の営みの関係を五絶に謳った大澤久意の漢詩。国文体と日本漢詩を素材に展開する国書展に出品された津金孝邦会長の作品だ。薄い墨のにじみ、更に墨が切れても筆力と筆意で押し切った線条。絶句二十字が一つの塊のように見える。おそらく一気呵成に書されたのであろう。運筆の呼吸が聞こえてきそうだ。こういう書は詩内容への同化あってこそ定着するだろうし、筆は卒意の軌跡を辿る。書に不可欠の要素を見た。(篠原)

 

大澤久意詩「望富士山」227×53