第41回国書展より

会長 津金孝邦

 


 第41回国書展より、会長津金孝 氏の「大田南畝詩(竹軒小睡)」を紹介する。
 本作は、昨年韓国国際書法連盟展に招待作家出品された作品で、日本で未公開であったため、今展でのお披露目となったと聞く。
 国書展の名称は、日本人の漢詩、詩文書を書くことを本義として、津金孝 会長の決断で陵雲書道会展より改称した経緯をもっており、日本人の詩観を受け止め、書き手の心で昇華させた書を書こうという主張性をもった運動である。もともと父・寉仙は調和体の名手であり、そうした素地を持つ古参の弟子が揃っていたこともあり、調和体と日本人の漢詩の漢字作品が並ぶ希有な会として注目を集めている。
さて、今作の詩人大田南畝は江戸の天明期を代表する文人・狂歌師。漢詩をよくし、膨大な量の随筆を残している。津金氏は、江戸気質の粋を伝える七言律詩を、飄々とした振幅ある流れで一気に書した。ある意味、良寛の風合いを取り込んだ作品と言えるが、文字間の呼応、行間呼応、そして全体のバランス感にまで配慮が行き届いている。(松)

 

三竿翠色掃南軒…   大田南畝詩「竹軒小睡」 173×70