錦龍 米壽展


■2月2日〜3月28日
■天象画廊(書星会館2階)

 

 数ある書展を見るにつけ、その都度いろいろの思いを抱かされるが、これほどに自然にそしてその中に書の持つ力を存分に味わえる書展はそうはない。書家浅見錦龍の米壽展は、書の楽しさ、面白さ、難しさ、深さなどが、錦龍の人生とともに味わえる格好の展覧となっている。
 近年の錦龍の書は、日展作に代表されるように一気呵成に短時間で書きあげられた作品が多い。長年の経験と勘、積年の思いの凝縮が一枚の書になって瞬時の美を誘い出している様相は観る者に深い感銘を与えてくれる。今展の24点にもそんな錦龍のあからさまな思いがそれぞれの作に溢れている。ときに強く、ときに優しく、そしてときに厳しい表情をする作品群と明るく静かな会場でじっくり向かい合いたい。小社いちおしの展覧会である。
 出品作から5点を紹介させていただく。鳥の子紙に大きく引かれた「一」、亡くされた長男の名に供養を込めた一作。「かたつむり」は船橋に居していた頃の感慨。「蝸牛庵」の屋号の思い出でもある。壁面最後に展示されている「山椒ハ小粒デピリリト辛イ」は実にユニークで錦龍の現在の心境が見てとれる。この作はぜひ会場で。   (篠原)

 

       

「樹 人 」

 

 

          「守 愚」                      「良寛詩」

 

 

         「長男 一 はじめ 供養」              「かたつむり」