第57回玄海全国書道展より
会長
三上 栖蘭
玄海全国書道展(13面に紹介)から、三上栖蘭会長の作品を紹介する。
10尺大作が並ぶメイン壁面の中でも一際その存在が目立つ四字句二連。何と言っても墨色の妙に見入ってしまう。唐墨を磨りこんで仕上げた墨と言う。なるほど唐墨独特の緑がかった味わい。更には紫紺系の匂いも漂わせている。よく言われる「墨は黒ではない」ことを実感させられるのだ。近年は墨液の目覚ましい普及、品質改良が進み、磨墨液と変わらないたぐいのコピーが出回っているが、所詮機械が作りだすもの。固形墨から磨りあげた墨にはかなわない。三上さんの今回の作品にはそんなことを強く思わせてくれた。
三上さんといえば、自社中有秀会書展での書の可能性を求めたユニークな取り組みが注目されているが、一方では今作のように書の本格を見据え、後進の範となるべく伝統の真髄を見極めた堂々の作品制作にも力を傾注する。エネルギッシュそのものだ。 毎日書道展審査会員/書道玄海社代表/有秀会主宰 (篠原)
