第33回有秀会書展より
主宰 三上 栖蘭
今年の有秀会書展のテーマは「愛のかたち」。主宰の三上栖蘭さんは3点を出品した。三上さんといえば同展において毎回いろいろの趣向の作品で観者を楽しませてくれる。昨年は世界遺産がテーマになったが、三上さんのメイン作は何と気球に準えた半円球の立体の中に字を入れた斬新な作品。記憶に新しいところだ。三上さんが常々言う「書を親しみのあるものに」との思いは同展を通して着実に具現化し、その成果も周囲の認識するところまで至っているだろう。
さて掲載作。五角形の特注額の中に1センチほど浮かした円相。書かれた言葉は誰にでも読めるように素直な表現になっている。使用の筆は「ゑのぐ筆」。この点は興味深い。敢えて技巧を抑えるため、毛先が揃った筆を用いたのだろう。一字一字じっくりと、線を埋め込むかのように書かれている。しかも額装がガンメタ色だけに書がどんどん奥にはまりこんでいくのだ。「すべて(愛をもって)受け入れる」と読めば、この作品の深さがわかる。(篠原)
