第32回有秀会書展より

―世界遺産に自己の思いを―


三上 栖蘭


 書道玄海社会長の三上栖蘭さんの主宰する有秀会書展は、毎年テーマを決めて面白い企画で注目を集めているが、今年は「世界遺産」に自らの思いを寄せた。
 その中、三上さんがトルコ旅行で体験した熱気球乗船のイメージをアイデア豊かに表現した作品、「空中散歩」を挙げる。半球空洞のプラスチックの中に曲抱された文字、まるで気球を思わせる表具は、もちろん三上さん指定のオリジナルである。絵画作品の中にあっても充分に通用する作品で、もはや、現代コンテンポラリーアートの域にあるといえよう。
 書は平面芸術といった通常観念を見事に脱した一例であり、現代空間における書のありようを問う1点ではあるまいか。(松)

 

 

空中散歩〈トルコ・カッパドキア 熱気球に乗る〉