三上栖蘭書展

― 書業40年の軌跡 ―
〜書に込める情念の燃焼〜

三 上 栖 蘭

       ■1月6日〜11日
       ■東京銀座 鳩居堂4階画廊

 書道玄海社会長の三上栖蘭さんが、6年ぶり4回目の個展を「書に込める情念の燃焼 書業40年の軌跡」と題して開催した。
 三上さんが楷書の名手として知られる吉田栖堂氏に師事したのは昭和35年、23歳の時である。当初事務員として書道玄海社に入ったが、書の魅力にはまり自然と筆をとったという。15年はかかるという師範を5年で取得、昭和47年に書道玄海社同人に推挙、昭和55年に東方運営委員に就任している。実に異例の躍進といえるだろう。しかし、その年に栖堂師が逝去、玄海社は存亡の危機にたたされたという。数ある先輩書家のいる中、玄海の砦を引き継ぎ、その仕事を継承したのが三上栖蘭さんであった。昭和59年正式に玄海社会長に就任、同年に毎日書道展審査会員に推挙され、確固たる書家としての地位を確立した。その後の活躍は周知のとおりだが、昨年の月刊誌「玄海」700号発刊の偉業は記憶に新しい。
 さて、今展は四季を彩る言葉をテーマに「書に情念を込める」、いわゆる感情移入をどう果たすかに腐心したという。新作26点の中、特に注目した4点を挙げた。
 楷書の名手を師としながらも、三上さんは現代性を重視する。甲骨、金文までも研究し、アート空間を構築する。斬新な「梅」はその好例だろう。行草「初夏」の切れよいリズム感、ゆったりとした存在の書となった「萬物清明」、美的感性を彷彿とさせる「雪月花」、表具もマッチしている。(松)

 

雪 月 花   42×20       初夏 三尺松魚出海・・・(市川米庵)138x34

梅 知性の象徴   52×70

萬物清明   40×46