第36回有秀会書展より

主宰

三上 栖蘭
 

 三上栖蘭さん主宰の有秀会は、その社中展において常に何かを問い続けている。その「何か」がテーマとなり、毎回展の話題にもつながっているところだ。今年は「現代の書に挑戦」。三上さん自身が言うように漠然としたテーマ。会員の躊躇も想像できるが、まずは主宰者自身が範を示すように5点出品で会場を飾った。何れも現代空間への意識が装いにも表れている。唯一軸仕立てにしたのが掲載作だ。以前から取り組む東巴文字を素材に「平安」を表現した。「世界の平和 国家の安泰を願って明るく力強い表現を試み」たと言う。なるほど線は細いが、蔵鋒による筆圧の深さが読み取れる。紫の諧調にも融合する。現代の世相にも呼応するかのように、静寂と律動を具えた書である。(篠原)

 

 

 

 

 

平安(東巴文字)