第59回玄海全国書道展より

会長

三上 栖蘭

「有志者事竟成」
 

 三上さんは玄海展本展を大作発表の場と位置付けている。今年も九尺二連六字の堂々を展覧し、会員への鼓舞とともに玄海社の存在を一層世に打ち出した。一方、三上さんといえば自社中有秀会で見せるさまざまな企画運営でも知られ、親しめる書の普及活動にも余念がない。三上さんにとってはこの双方の仕事を成し遂げることこそが、書家の使命と考えるのだろう。とかく書家は公募展構造の中だけで右往左往しがちだが、三上さんの眼は常に大衆に向けられる。そういう意味においては本展の会場も都美術館から離れ、より利便性が高く、人の往来も豊かな現会場を選択したのも確かに頷ける。
 さて今作、黄紙に大きな運筆と筆勢で書かれた痛快作。後漢書から引いた「志ある者は事ついに成る」だ。三上さんの信念がそのまま線に乗り移ったかのような迫力と情感。志字の線条に特に打たれる。人心を打つだけのさまがある。(篠原)