第34回有秀会書展より


主宰

三上 栖蘭

『「南禅寺 三門辺り 石蕗の花」
(千葉静夜句)』


 今年の有秀会書展は「書と俳句のコラボレーション」に挑戦した。河内静魚主宰、句会「毬」の俳人作句を書に表現したものであったが、主宰の三上栖蘭さんは趣の違う4点を出品し、句意と書風の融合のさまを静かに見せつけた。11面にはモノクロで2点を紹介している。ここでは千葉静夜句「南禅寺 三門辺り 石蕗の花」を紹介する。巨大な南禅寺三門と足元にひっそりと咲く石蕗の花を対比させ同化させたスケールの大きな句。三上さんの書は行草で三行。仮名二字の処理が巧みで漢字の流れを充分に引き立たせている。紙の紋様も石蕗の花をイメージしたのであろうか。更にマットの淡い黄の色もその花に合う。そして注目すべきはマット上の作品の位置。中心より左にずらしている。そして左サイドのマットには直接、黒の刷毛目を入れたのである。一見何気ないアレンジのようにとらえられるが、そこには三上さんの感性の豊かさがある。さりげなさの中に句意の動勢を表現した装い。三上栖蘭ならではの作意が溢れる。 (篠原)

 

 

ゆ信八言句