第50回水穂展より
併催
創立者 日比野五鳳 展
特別企画「創立者 日比野五鳳展」が、水穂書展の50回展を記念して併催され大盛会となった。
出品作は、昭和39年の水穂書展の六曲屏風「三母呂」から年代を追って、昭和46年の古稀記念展の「初心忘れず」の31点。岐阜県神戸町の五鳳記念美術館収蔵作品21点に個人蔵の10点が並んだ。じっくりと全作を展観させていただいたが、どの作品もいい。全て趣が違うのである。正に一作一面貌といえる。では、どうしてこのような作域・境地が得られたのであろうか。
五鳳翁は周知のとおり大野百錬師より日本風趣の漢字(菘翁など)を学んだが、京都に出てかなに転じた。名だたる古筆研究家がいて古典の肉筆に接して学べる環境。そして五鳳氏の意欲的な自学自習の成果が次の言葉を言わしめている。「すぐれた芸術家とは、優秀な技術と、卓越した思想、精神を持った人である」と。五鳳かなの表現の根幹には継色紙と寸松庵色紙、それと和風の漢字が在ると思われるが、それらを線条内面性にまで突き詰めて対立美まで昇華させたところが創作者たる所以であろう。
「書の神様がおりてきた」と初めて落筆したと云う五鳳翁。作品の精神性の高さは正にここにある。(松)

うまさうな雪
昭和56年(1981) 小林一茶
現代書道二十人展
