河村和子 書展
■3月6日〜11日
■ 銀座・鳩居堂画廊展
あきつ会理事長河村和子さんの二回目の個展。平成16年に第一回展を開催。それから8年、書壇でもより重要な立場へと移り行く。しかし河村さんのひたむきな学書姿勢は、師仲田光成をベースにしながらも自家風の発展へと着実に歩みを進めていった。今回の個展は、そんな河村さんの次なるステップ台となるに相応しい充実の展観となった。
万葉集の中でも額田王は代表的な歌人。「茜さす紫野行き標野行き…」や「熟田津に船乗りせむと月待てば…」などは誰もが脳裏を過らせる名歌である。京都生まれの河村さんにとっては人一倍の思い入れがあるのだろう。そんな額田王の歌を中心に万葉秀歌を加えた今展。掲載は会場中央に静かに佇むメイン作である。三輪山にたなびく霞を思わせるような奥深い料紙の柄の上に、まるで河村さんの息遣いが聞こえてくるような落ち着いた品格のある、されど線中には激しい熱情を秘めた流動の仮名がある。長画に引く線の直なるも、刻み行くが如しの線条に書家河村和子自身の生きざまを見るのである。 (篠原)
