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第20回紫苑の会書展より
大石 三世子
二十回の記念展を迎えた紫苑の会書展より、代表の大石三世子さんの作品を紹介する。大石さんと言えば、先師大石隆子の衣鉢を受け継ぐ重責を担い、栴檀社をリードしながら自社中紫苑の会の発展にも尽力する今や関東かな界に不可欠の存在。隆子師の繊細な細字仮名の要素を三世子さんは大字表現へと昇華させていった。これは時代のすう勢とともに、会場芸術のあり方を追えば当然の事象ではある。しかしここで見抜かなければならないのは大字仮名の品格である。見せる意識が過度に働いた昨今の書において一番の欠落は「静かな品性」ではなかろうか。むやみな線の誇張や形のゆがみに溺れた書に普遍性はない。大石さんの仮名は何と言っても素直な線情と明確な使転から流れる直線の美しさを保つ。更に今作は会名とも重ねて紫のグラデーションをバックにした。紫地の難しい色にのせる字こそ品格が問われるだろう。大石さんは紙面天地に充分な余白を取って紫を見せ、静かに強い線で山部赤人を書く。上品の世界。(篠原)
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「ぬばたまの夜のふけゆけば久木生ふる |