西川壽一 笑品展
― 迷走する源氏物語百景―


● 11月24日〜26日
● 滝野図書館ギャラリー「伝」

 香瓔会総務・西川壽一氏の地元滝野での個展。これまでも香瓔選抜展他に徹底して小字・細字作品を出品し続け、中でも源氏物語に焦点をあててここ10年取り組んできた。その大団円の意味を込めてであろう、5年ほど前から自作料紙の制作を始め、自刻印も200顆揃えた。そこから、あたためてきた源氏物語の全54帖の興ある情景部を104点の作品に3ヶ月で一気に書き上げたとお聞きした。「笑品展」「迷走する…」は氏独特のテレで、内容的には充実した思い入れの感じられる作品展となった。特筆は、一般の展覧者に配慮した解説の徹底で、各作品下には原本と現代訳文が添えられており、大好評であったことを付記したい。
 上掲は第十二帖第一段「須磨の秋」の序の部分、光る源氏の無位無官時代の起居の様。淡々と物悲しく筆が進んでいる。他、満月にススキを配した料紙に「夕霧所感」など。(松)

 

 

 

須磨の秋