大川清子 書展

―墨の沈著く―

 

■ 1月18日〜23日

 ■銀座・鳩居堂画廊4階

 

 毎日審査会員、あきつ会監事など、仮名書道の要職を務める大川清子さんの初個展。
 大川さんは大学卒業と同時に仲田光成に師事。粘葉本や佐理を徹底的に習って、大字仮名表現を身につける。仲田門下五十年の時を経た今、初の個展とは思えないほどのゆとりと緊張感に包まれた作品群となった。大川さんの仮名の最大の特徴は、何と言っても線条の豊かさにある。どの作にも線の顔を持っているのである。例えば掲載作の芭蕉の句、渇筆部長画に宿した刻み込むようなリズムが句意を象徴する。一方、枕草子の何と澄みやかなことか。青墨の薄らんだ墨色が冴えわたり、静かに切れ込む直情の線は見る者に安らぎさえ与えてくれそうだ。他にも、日野草城の句をシンプルな直線と間合いで書いた作、高浜虚子の句を思い切った鋒の開きで解釈した半切作など、容易に通り過ぎることができない作ばかりだ。
大川さんの作品には純粋に人の目を引きつける力がある。それは線の力であり、生命感でもある。(篠原)

 

春は曙…

 

閑さや岩にしみいる 蝉の聲