第40回日本篆刻展

 

尾崎 蒼石

「剛じゅう皆應」

 

 日本篆刻家協会は昭和60年に発足、日本で唯一篆刻のみの全国公募展を開催し、本年第40回展を迎えた。会員は全国に約1000名余を有する規模となり、本記念展開催に際し、初代理事長の梅舒適の師系にスポットをあて、師にあたる河西笛洲をはじめ、近藤尺天、楠瀬日年、北村春歩の記念展「浪華印人四家」及び関西の篆刻文化の源流に迫る特別展「浪華印人源流」の特別展観が企画されひとつのエポックを検証し、大いに盛り上がった。
 また、併催第8回展を迎えた学生展も続いている。ただ、小学1年から6年、中学1年から3年までは各学年に一定数出品者が連続しているが、高校生にあがり極端に出品減となっている。重要な課題である。
 今展より役員作品13点を挙げた。図録は代表印と側款のみ大きく紹介されていたが、どのような形態での展示か全く見えないため、全体画像とピックアップした印譜をセットとして従来通り紹介した。関西風な書と印の展示センスも見て欲しい。常任顧問・井谷五雲は書の巧みさと大小配置、三印のバランスは群を抜く。同・山下方亭は、同文の朱白を。白文を挙げた。会長・尾崎蒼石は古銅印風に凛とした「剛じゅう皆應」。理事長・真鍋井蛙は白い紙に白書きのスタイルで観者の足を止める「遊目騁懐」。副理事長の4名、喜多芳邑の4印は切れよい。微妙な曲刻の朱印「寺前佳興」を挙げた。重厚で骨格ある刻線の黒田玉洲は白印「風塵三尺劍」。酒居石荘「絶四」とは、論語「意なく、必なく、固なく、我なし」。朱墨を巧く配する小朴圃は博識と制作プロセスが滲む。風壊の美「不憚勞苦」。代表理事は5名、象形的古文「龍飛鳳舞」の結体の味わいは草田翠苑。精緻かつ均整とれた大陸的刻の黄平齋。一見虎ファンかと思った田中修文の4字の空気感。日展特選の余韻続く充実感は古溝幽畦。スッキリとして清涼感ある構成と刻で秀逸な渡邉和琴。 (松)