| 第46回藍筍会 書作展より 会長 清水 透石
かつて清水透石は自作への思いに、″仮名作品も、漢字同様「大樹を仰ぎ、落下する瀑布を観る」ような景観的展開でありたい″と述べたことがある。なるほど今展出品作の茂吉の歌もそういう観点で見れば、多分に頷ける要素がある。一首目「我の背向に」を作品中心に据え、山なりの各行からまさに字が降り行くさま。行末の余韻は余白に留まらず紙外へと抜けてゆく。更には歌意に合わせるが如く萌葱系のマット色を使い、「しげる竹むら黄に照りて」を装った。透石が言う景観的展開は字ばかりではなく一枚の平面作品全体にも及んでいることがよくわかる。新しい時代に呼応する書を、絵画、彫刻、工芸などにも目を向けた作品作りとする透石の意志もが窺える。 |