第18回東京水穂会書展より

会長

日比野 光鳳

 

 第18回東京水穂会書展より、文化功労者就任の日比野光鳳会長作品「ちゞの春」をピックアップさせていただいた。この歌と満月をかたどった円形の料紙に、8年程前の光鳳氏の現代書道二十人展の出品作品を思い出したからである。粋な飾り窓に似せた金箔空間の額装で、満月の光を見事に演出して源実朝の歌意を表装一体で具現したものであった。
今回はそうした大仕立てではなく、微かにたなびく雲をイメージした背景の軸装で清雅な雰囲気を醸す作品となった。書き出しの「千」を「ち」として、文字の配置もほぼ同じだが、以前より筆腹の線の深みがよりしっとりとふくらんで味わい深い。光鳳かなの境地へと向いつつある。(松)

 

 

 

 

ちゞの春…