傘寿記念・熊本県芸術功労者顕彰を受けて

中村天香  書作展

 九州のかな書の名門、白 会 会長を務める中村天香さんが傘寿と熊本県芸術功労者顕彰を受けて書作展を開催、初日には社中の門人に加え日展参事高木聖鶴氏をはじめとする書家、文化人、マスコミなど190名に及ぶ芸術関係者が出席し、総数450余名による祝賀会が催され天香さんの記念展を盛り上げた。
 周知の如く、天香さんは中村龍石氏の奥様で、龍石会長を献身的に補佐して白
会を支えてきた。龍石氏の逝去後も一層その絆は堅いものとなって書を通じての家族的雰囲気を醸している。10年振りの個展とお聞きしたが、龍石師の気品ある大らかな空間を彷彿とさせる大字作品をはじめ、料紙とのマッチングを考慮した繊細な細字・小字作品、また現代センスある調和体作品まで、傘寿にあわせた80点が出品され、旺盛な書作活動が窺われる展観となった。出品作より注目の数点を紹介させて頂いた。中でも六曲二双の「万葉集二首」は大きな運筆で存在感があり、思わず立ち止まってしまった作品。色料紙に繊細に文字が浮かぶ「あしびきの」と良寛の三小色紙、また、破り継ぎ料紙に散らし行爽やかな「さえくもる」、軸作品では芭蕉の句を淡墨で二紙に書いた「辛崎の」の潤渇対比の空間性の深さが印象に残った。        (松)

 ■1月24日〜29日   ■熊本県立美術館分館

    

「かすみたつ… 外二首(良寛)」