第54回臨池会書展
高木 厚人
「春ふかみ」
日本藝術院賞を受賞し、受賞記念展や、杉岡華邨書道美術館の館長としての業務を兼務しながら、臨池会理事長としての責務「臨池会書展」の開催企画を練り、且つ幾つもの出品作品制作をこなしている高木厚人氏。本54回展には併催展として「杉岡華邨特別展」が開催され25点の懐かしい作品が並んだ。中でも昭和53年「酒徳」と同年代「いそげど水は(柳宗悦)」は改めて足が止まった作だ。また、毎年実施している「新しい星展」も継続され効果ある。
今年3月、100歳を迎えた楢崎華祥顧問、継色紙調の切返し書きで健筆を披露。前島泉洲顧問も空間余白の調和美をさらりと演出した。墨味ある骨格で深みある筆線が、西行ならではの桜歌を愛でる高木厚人理事長。山本高邨副理事長は天武天皇を懐かしむ持統天皇の古歌を真仮名で書した独特の風趣。秋山英津子副理事長は志貴皇子の歌に始まり春から夏の4首を中字で繋ぐ。襟立玉英の写真とのコラボは本展にアクセントを添える。井田智佐子も自在な展開を試行して自風を探る。杉浦華桂は伊藤左千夫の牡丹の歌を古筆の布置で展開。ベテランの味わいは木村秋月、北山成子も大字の布置に真っ向挑戦した。華邨賞は大西詳月、玉手いづみが受賞。中川千華にも注目した。
(松)