鶴屋創業70周年記念特別企画・米寿記念
書 杭迫柏樹の世界展
● 11月2日〜7日
● 熊本・鶴屋百貨店東館7F 鶴屋ホール
読売書法会顧問、興朋会会長で日本藝術院賞受賞作家・杭迫柏樹氏が米寿を迎え、その記念展が熊本・鶴屋創業70周年記念特別企画として開催されたが、米寿の思いひとしおの大個展となった。
作品は日展、読売等に出品した大作群「伝統と本格の輝き」、書を石刻した碑文10数点の写真展示、また、ユニクロとコラボしたオリジナルの書Tシャツや飾り大皿、額装に格言や詩句を書した「生活空間に生きる書」、コロナ禍の中の余裕ある時間を活用したという多数の臨書巻子作品及び小品群が並んだ。総数は100点以上に及ぶ。その中に、ひと際目立つバカラの花入れがあった。「感謝」と書かれた氏の小品を刻み入れた一点もの。また、現在までの書業の思いを綴った巻子作「米寿自序」は淡々として清冽だった。
さて、今展より注目作を若干数挙げたが、屏風三作は正に堂々とした風趣を醸す。額作品では五所平之助「生きることは」に思わず足が止まった。かな作家も良く書く句であるが、凛とした書線の切れが響き来る。また、氏の座右の銘ともいえる「應心〈良寛〉」は石に刻され自宅の玄関に鎮座、書斎は『應心庵』と命名されている。そして、氏の古典の中枢を占める米ふつ臨は格別だ。
(松)

呉江舟中詩巻(北宋 米ふつ)
