あきつ会創立45周年記念
仲田幹一(光成)遺墨展

●6月24日〜29日   ● 銀座・鳩居堂画廊

 

 2003年、一〇四歳の長寿を全うした仲田光成。2005年には上野の森美術館において大掛かりな遺墨展が開催されている。今回はあきつ会創立45周年の記念事業として開かれたもので、前回のそれとは内容を異にしたものになった。それというのも、今回の遺墨展は長い書歴を有し、個展も九回を数え、現代書壇にも多大な影響を及ぼした仲田仮名を断片的に見ていこうとするもの。1968年の第1回個展と1975年の第2回個展出品作が中心になっている。仮名作品を壁面芸術に移行させても充分鑑賞に堪えられるようにと、いろいろの試みがなされた時代。仲田幹一はいち早く空間構成に着眼し、鋭利な細線を自在に操って大きな空間を支配する斬新な構成法を世に問うたのである。そんな時代背景にも焦点があてられた今展の価値は高く評価できるだろう。 
 45点の出品の中から4点を掲載した。いずれも小品だが、当時の仮名界に衝撃を与えたであろう空間構成。特に「たどり来し…」「きみこふる…」の二作は今でも驚かされる。前者の中央の大きな空間は歌意をも含ませる。後者は行の大半を左に流し、最終三音の右傾斜で作品を立てる手法だ。普遍の美がある。(篠原)

 

三吉野の…(「万葉集」天武天皇 御製歌)
昭和43年 第1 回個展

たどり来し…(土岐善麿)
昭和43年 第1回個展

 

うらくと…(村田春海)
絵・是永仲一 昭和43年 第1回個展

きみこふる…(「古今和歌集」紀貫之)
昭和50年 第2 回個展