第65回記念朝陽書道会展より


会長
高木聖鶴


 高木聖鶴会長の4曲屏風を紹介させていただく。
 今展には、3点が出品されていたが、メイン会場の作品「鶴」(古今和歌集 355、藤原の三善)は10面に紹介している。逝ってしまった人達に、「この65回の記念展を一緒に迎えられなかった。あなた方の命は千年では足りないと思う」との気持ちを込め、強い意志を感じる漢字顔負けの運筆で書かれていたが、記念展の賀歌とした心情が沁みていた。
 本作は、万葉集の志貴皇子、小野老(おゆ)、作者未詳、大伴書持の4歌が同じ料紙に同じ気運で書かれている。志貴皇子の歌を頭にしたことから春先のことだと思われる。恐らく聖鶴氏は、朝の書斎で静かに墨を摺りながらふっとここ数年のことを思い出し、感懐に浸ったのだろう。「新しい年があけ、早春が来たよ。桜も咲きだしたよ。花見にみんな集まったなぁ。出きることなら皆で我が家に訪ねてほしい」と。(松)

 

 

「四曲屏風」 石激る…