―総社市への寄贈作品を一堂にー

高 木 聖 鶴 書展

〈主催〉総社市・総社市教育委員会・総社市文化振興財団 

 日展参事、高木聖鶴氏は大正12年岡山県総社市真壁の生れ。昭和22年に内田鶴雲氏に師事し、25年日展初入選、48年に日展特選受賞、その後も日展を発表の場として一途に歩んできた。そして平成6年度第51回日本芸術院賞を受賞し現代かな書を代表する書家として活躍されている。
 聖鶴氏は生まれ育った故郷をこよなく愛し、ずっと生活と制作の拠点としてあるが、古代のロマンが残る吉備の地を詠んだ歌をよく作品とされている。この地は万葉の世界と同時代性をもっており、古墳時代から大和朝廷を経て奈良王朝へと深い関わりを持ってきたと思われる。黒姫伝説もそのひとつで、特に天皇家とのつながりも大きかったといえるのではないだろうか。今展は、この度聖鶴氏が総社市に寄贈された作品30点のお披露目展として企画された書展で、これまでにも二度、聖鶴氏の寄贈に係る作品展が開催されており、現在101点の作品が同市に収蔵されていると聞く。また、今回は特別展示として2点が出品されていたが、これは昨年10月両陛下が岡山国体に御臨幸されたおり、御宿泊所となった岡山国際ホテルロイヤルスイートルームに展示展覧いただいたもので、「まがねふく 吉備の中山帯にせる 細谷川の音のさやけき」は仁明天皇の大嘗会に吉備の国より、もう一点の「美作や 久米の佐良山さらさらに わが名は立てじ万代までに」は清和天皇の大嘗会に美作の国より詠進された歌である。陛下はこの歌を御存知で、当地と天皇家を繋ぐ品格ある作品に感動されたと聞く。もう一点の大字作品は、ぐっと存在感ある筆線で正に万博に相応しい。また、10m程の「唐懐素千字文臨」と「山家集抄」の巻子作品も見応えあったが、聖鶴氏は各3時間程で書き上げたのだという。余程書く素材を熟知していなければ出きない。会場は多くの展覧者で盛会だった。       (松)

 ■2月4日〜12日 ■サンロード吉備路コンベンションホール

萬葉の歌(日本書芸院展、愛知万博出品)平成17年
「しま傳ひ敏馬の崎をこき廻れば大和こほしく鶴沢になく」